NPO法人アズウィッシュ wishこころぴあビレッジ ◆心理カウンセリング手法を用いた「若者の自立支援」「発達障害の当事者・家族支援」「支援者育成」

SSTワークで目指すもの

ソーシャルスキルトレーニングとは アズウィッシュのSSTワークは、主に心理カウンセリング手法や人の話の聴き方の技術を、発達障害の特性 に合わせて応用して、プログラムを組み立てています。思春期~青年期・成人期の発達障害者向けに構築した スキルトレーニングとして実施・開催しています。発達障害の社会適応に大切な要素である「自己肯定感の回 復」と「自己理解と自己確立の促進」を目的とし、グループセッションなどを楽しみながら「人と関わる際の 感情や表現調整の方法、或いは距離感の取り方」 「人に、話を聴いてもらえたと思ってもらえるような話の聴き 方」 「人の話の真意を聴き取る方法」などを学び、人と関われる自分を見付けていきます。また、 「過剰適応な き社会適応」という課題にも、皆さんとご一緒に取り組んで考えてまいります。

■発達障害に適したSSTとは ~アズウィッシュが目指すもの

アズウィッシュのSSTでは、スキルの習得と共に、発達障害の特性をカバーしたり、色々な工夫で自分の良 いところを伸ばし、人と関われる自分を見付けていけるように、大切にしているいくつかのポイントを元に課 題を組み立てています。 (※注:それぞれSSTコミュW→コミュニケーションワーク、SST傾聴W→傾聴ワ ークで取り組んでまいります。 )

「あたたかい人との関わり体験を積み上げ直すこと」
「人への感受性を高め、表情や感情表現を豊かにしていくこと」…共通
発達障害の特性のひとつに、他人から見た場合、感情がないように見えてしまっ たり、無表情に思われたりといったことがあります。当然のことですが発達障害者 にも豊かな感情はあります。その自分の感情を出来るだけ的確に感じ取り、肯定的 に表現できるようになると、人から好感を持ってもらう上で有利に働きます。 発達障害があると、こうした根っこの感情を本人が把握するのが苦手だったり、上手く表現するのが苦手 な傾向があり、周囲の誤解を受ける元となりやすいようです。また、他人からの関わりに対する感受性が、 そもそも乏しい傾向を持つ人も少なからずいます。 元々このような苦手があるのに、世間では、誤解したまま否定的な反応を繰り返してきますので、当事者 さんには否定体験が積み上がり、余計に苦手が定着しがちです。そうではなくて、多少特性からくる行動が あっても、その原因がわかっている支援者が関われば、肯定的な反応で関わってもらえるでしょう。こうし た繰り返しの中で、苦手は徐々に軽減され、人への感受性もゆっくりゆっくりと高まっていくのだとアズウ ィッシュは考えています。 ワークショップの活動の中で、否定的体験を肯定的体験で積み直し、周囲への振る舞い・表情・感情表現 力を豊かにしていくことで、スムーズな人との関わり方の習得を目指していきます。

「三つ組に限らない発達障害の特性を広く理解していくこと」…SSTコミュW
世間では、発達障害の特性と言えば「社会性の困難」 「コミュニケーションの困難」 「こだ わり行動(想像性の困難)と言われますが、実際はこの三つ組以外にも沢山の特性が存在し ます。ワーキングメモリーが少ないことで起こるシングルタスクや、細部に捉われがちな視 知覚認知の傾向や、ゼロ百思考・自他の境界があいまいなどの思考的・心理的な特徴などです。こうした特 性を広く理解し、自分の中での濃淡を知り、工夫してカバーしていくものと、改善が難しく避けた方がいい ものに区分けするなど、自分自身をよく理解することは、社会適応に大切な要素です。アズウィッシュはレ クチャーとディスカッションを組み合わせる中で「自己理解と自己確立の促進」を目指していきます。

「周囲の状況をくみとることに挑戦する」…SSTコミュW
場の空気が読めない。周囲の無言の雰囲気を感じ取れない・・・・発達障害の特性でよく言われることで す。抽象的な概念や、言語化されていない無形のものを汲み取ることが苦手な当事者さんに、こうした傾向 は付き物です。また、この困難自体を根本的に無くすことは難しいです。この 問題を解くカギの一つに「自分の内面的価値観(主観)にだけ集中してしまい がちな習慣・気質」というのがありそうです。外の世界を感じて、そこから何 かをくみ取ることが苦手なばかりに、内的な感情や自分自身の価値観の方に集 中しやすいのでしょうね。 この気質は、一生改善できないものではなく、周囲の状況を見回す訓練を積 むだけでも、情報収集や情報判断の能力は上がっていくようです。SST コミュ ニケーションワークでは、ゲーム形式の中で、周囲からの情報と自分の主観の 両方を組み合わせて、状況判断して行動していく体験を積んでいきます。

「聴く力を伸ばすことで、コミュニケーションを円滑にしていくこと」…SST傾聴W
世間話が出来ない。雑談に入れない…発達障害の方々からよく聞くお悩みです。 会話が成り立たちにくい原因には「想像性の障害」や「脳内処理速度に起因する即 時応答の困難」などが原因していると思われ、この部分の発達特性を解消していく ことは、中々難しいようです。しかし、定型の会話というのはいろいろと説明的な ようで、案外、何らかの感情に根ざして語られていることも多いのです。あちこち に飛ぶ話を追いかけるより、その相手がどんな感情を伝えたいのかがつかめれば、 その受け取った感情を「あなたは、こう思ったのですね」と返してあげることで、 コミュニケーションが成立するのです。 「そうですか、それは大変でしたね」とか、 「腹が立ったのですね」 とか、 「そうか、そんなにしんどかったのですね」といった具合です。コミュニケーションというと「語る(話 す)力」に目が行きがちですが、 「聴く力」の方がむしろ大切なのです。アズウィッシュではこうした会話法 についても学んでいきます。

「否定的なルール(自己制限)を見直す」…SSTコミュW
発達障害の方は、子どもの頃から社会から否定的な関わりをされてしまったことが原 因で「自分は思ったことを口にしてはいけない」とか「自分の感情をそのままに出しては いけない」 などの自己制限ルールを作ってしまっていることが、 少なからずあるようです。 こうしたルール自体が自分をしばってしまい、ますます、自分の行動を他者否定的であっ たり、社会否定的なものにしてしまっていることがあるのです。こうした止む無く掛けて しまった思い込みを、時間をかけてゆっくりゆっくりと解いていくことにも、アズウィッ シュは共に取り組んでまいります

「自己肯定感の回復」…共通
最後に挙げましたが、私どもが一番に大切にしているのはこれなのです。発達障害の二次障害を引き起こ しているのは「自己否定感」です。そして、この「自己否定感」は、発達障害のあらゆる思 考・行動を制約し、社会との好ましくない関わりを生んでしまいます。また、ひと言で「自 己肯定感を回復する」といっても、漠然としていてつかみどころがありませんが、小さな成 功体験を積み重ねて「自己効力感(有能感) 」を掴むと考えると、目標を見定めやすくはな りませんか。言い換えるなら、 「あれはうまく行ったなぁ」といった経験を積み上げて、次へ の新しい挑戦に「自分には出来そう。チャレンジしてみよう」と思える自分を見付けること、 と言えましょうか。 「自己効力感」の積み上げが「自己肯定感」の熟成に至る道ということで しょう。アズウィッシュでは、スモールステップの課題を、あたたかい関わりと見守りの中で成功体験を積 んでいただき、当事者さん達に自分自身の可能性を実感していただくことを目指しているのです

  • Facebook
  • Hatena
  • twitter
  • Google+
PAGETOP
Copyright © NPO法人 アズウィッシュ All Rights Reserved.
Powered by WordPress & BizVektor Theme by Vektor,Inc. technology.